号外 たのしい編集-1

「たのしい編集」という本がある。著者は、和田文夫と大西美穂。お二人は、ともに編集者。
 奥付をみると2014年1月10日第1版第1刷発行とあって、かれこれ二年前に出た本である(ガイア・オペレーションズ発行。英治出版株式会社発売。定価2,200円)。


 白い表紙のまんなかに、たてに黒の活字で「ただしい編集」とある書名の「だ」のところに赤字で手書きのチェックが入って、「の」に修正されたデザインになっている。表紙左隅にはややうすいグレーの文字で「編集 p.21」「DTP p.99」「校正 p.161」「装幀 p.205」「未来 p.243」と本文の五章のタイトルが置かれている。


 本には、レンガ色のオビに白ヌキのキャプションがついている。
 表側に大きく「〈本づくり〉にたずさわる、すべての人に伝えておきたい編集技術」とあり、裏側には「本書の構成」として以下のような項目が上げられている。


第1章 編集
 本をつくるまえに、どんな設計図を描けばよいか
第2章 DTP
 もうひとつの編集作業。現場で役立つInDesignのテクニック
第3章 校正
 悪魔は耳元でささやく。誤植を出さないための覚え書き
第4章 装幀
 デザインは戦略だ! 本への想いを形にする
第5章 未来
 これからの編集者に求められるものとは?
 電子書籍時代の編集について考える


 おっと、オビの表側に「インタビュー プロが語る、優れた編集者とは?」とあるのを見逃していた。第1章と第2章、それから第4章に、理解をより深めるためにゲストをむかえている。そのゲスト三名の名前が並んでいた。


翻訳家 
 越前敏也(「ダ・ヴィンチコード」「Xの悲劇」ほか)
装幀家 
 大森裕二(「世界で最も美しい本コンクール」銀賞)
プリンティング・コーディネーター
 尼ヶ崎和彦(大日本印刷


 この本のことは、ついこのあいだ、尼ヶ崎さんと市谷の坂道ですれちがったとき、ちょっと立ち話をしていて、あ、そういえば、といって教えてくれたのである。
「じつは、わたし、本に載りましてね。題名は『たのしい編集』というのですが」
(つづく)