2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

綴じ込みページ 猫-250

俳句帖に清書しているとき、おもいつきで二句に手を入れた。 数へ日や猫座布団に眠りをり 飛行船 数へ日や猫仏壇に眠りをり 桜のしべ降る三毛猫は寝てゐる 桜のしべ降るミーヤは寝てゐる いずれも二句目が清書した句である。 ぼくは、少々煩悶しているのであ…

綴じ込みページ 猫-249

句会のお仲間から京都旅行のお土産をいただいた。和綴じの小ぶりの俳句帖である。しばらく机に置いて眺めていたが、やはり拝受した折の自分の気持に従うことにした。すなわち、拙作の句で小さな句集を編もうとおもったのである。ずっとそのつもりでいながら…

綴じ込みページ 猫-248

高柳重信の文章は、明晰であるが面白味に欠ける。本当に真面目な俳人だったのだろう。とはいえ、その言葉は、案外、ぼくを励ましてくれるのである。馬脚を承知で、「高柳重信全集」から断片的に引用してみよう。 定型詩に関わることは、形式の歴史に関わるこ…

綴じ込みページ 猫-247

桜のしべ降る猫は寝てゐる 飛行船 この句をつくったのは、数年前のことである。季語と字数にうるさいいて丁さんは、「桜蕊降る」でなくてはいけないし、十七音を満たしていないのは問題だね、といった。ぼくは、山本健吉編の「最新俳句歳時記(春)」を参照…

綴じ込みページ 猫-246

ミーヤをもらうことになったとき、「花王のニャンとも清潔トイレがいいですよ」と教えてくれたのは、鶉さんだった。鶉さんちには、ウカちゃんという可愛い女の子がいる。れっきとした舶来の純血種で、まさに深窓の令嬢である。このお嬢は、けっこう強く噛む…