2015-01-01から1年間の記事一覧

号外 たのしい編集-9

「たのしい編集」つぎの章は、「第四章 装幀」。 第四章 装幀 ソウテイガイな話……………………………装幀について 204 カミのみぞ知る………………………………用紙について 210 色即是空……………………………………色校正について 212 螺旋の迷路……………………………………製本について 214 さよならは〈…

号外 たのしい編集-8

「たのしい編集」から、「第三章 校正」。例によって、目次を眺めてみる。 第三章 校正 校正おそるべし…………………………校正のむずかしさ 160 形から音へ………………………………………誤植の変遷 164 一度にひとつのことしかしない人……校正の五つの視点 168 最初の読者…………………………

号外 たのしい編集-7

「たのしい編集」の「第二章 DTP」、尼ヶ崎和彦さんのinterview「熱いぞ、これは」のつづきを読んでみよう。 「本の行方」 和田 ところで、尼ヶ崎さんがイメージする編集者像とは? 尼ヶ崎 私のイメージでは、編集の仕事っていうのはコーディネーター、ある…

号外 たのしい編集-6

「たのしい編集」の「第二章 DTP」、尼ヶ崎和彦さんのinterview「熱いぞ、これは」から。 「色地獄から抜け出すには」 和田 色の話をはじめると、底なし沼ですね。そもそもデジタルで入稿してポジみたいな色がだせるのかって。 尼ヶ崎 それは不可能です。 和…

号外 たのしい編集-5

さて、「たのしい編集」の目次から、「第二章 DTP」。 第二章 DTP もうひとつの編集作業…………………………………..DTPの意味 98 自動の魔力……………………………………………テキスト変数 103 捜しものは、どこですか?……………….正規表現を活用する-1 106 二倍ダーシは泣いても別れない……

号外 たのしい編集-4

「たのしい編集」とはどんな本か。それは、目次を眺めてみるとわかるかもしれない。 第一章 編集 書名がすべて…………………………………………………..作品の主題 20 小さな物語……………………………………………………..目次の作法 24 ニヒリズムは戸口に立っている………………………..書き出しの作法 2…

号外 たのしい編集-3

その晩、ぼくも、早速、Amazonに注文した。本はすぐ届いた。 ぼくは、本を読むとき、たいてい「あとがき」から読む。「まえがき」がついていたとしても、「あとがき」を先に読む。むかしからずっとそうだ。きっと、せっかちだからだろう。 「たのしい編集」…

号外 たのしい編集-2

「たのしい編集」のカヴァーの、表2に折り込んだところに、まえがきのまえがきのような文章が掲げてある。 本を読んだり、書いたり、つくったりするのは、とてもたのしい。たのしいけれど、けっこう大変な作業でもある。35年にわたって、僕は本を編集してき…

号外 たのしい編集-1

「たのしい編集」という本がある。著者は、和田文夫と大西美穂。お二人は、ともに編集者。 奥付をみると2014年1月10日第1版第1刷発行とあって、かれこれ二年前に出た本である(ガイア・オペレーションズ発行。英治出版株式会社発売。定価2,200円)。 白い表…

綴じ込みページ 猫-232

TUMIのバッグをカミサンに買ってもらってから、二十年近く経つ。物持ちはわりといいほうだが、さすがのTUMIもいささかくたびれてきた。そろそろ交替の時期だろう。持ち主も相当くたびれているのだが、残念ながらこちらは交替がきかない。消耗して賞味期限が…

綴じ込みページ 猫-231

起業して、いちばんに必要な物は、ビジネスバッグだった。 銀座の洋品店では、通勤のときでも、サラリーマンが下げているようなバッグは持って歩かなかった。持ち歩く書類なんかなかったからである。しかし、上司の砂糖部長は、黒い鞄を提げていた。弁当箱と…

綴じ込みページ 猫-230

社報の「開眼 なんでも書評欄」には、「村上ラヂオ2」のすぐ下にあった秋元康の「スーパー・ビジネスマン講座」をとりあげることにした。 「秋元康のスーパー・ビジネスマン講座」(1996年・PHP研究所刊)は、新書版230ページ、ハウツーもののビジネ…

綴じ込みページ 猫-229

社報に「開眼 なんでも書評欄」というコラムのコーナーがあって、毎月、順番に社員がなにか書くことになっている。その順番がまわってくるので、適当な本を選ぼうとおもい、二階にあがって本棚をのぞいてみたら、いちばん上に村上春樹の「村上ラヂオ2」が載…

綴じ込みページ 猫-228

エディー・ジョーンズの言葉には、ラグビーのみならず、日本の将来についても考えさせられるフシが多々あった。わかる人には説明しなくてもわかるだろうし、わからない人にはいって聞かせても無駄だろう。まず、第一に、一億総ナントカなんてのは真っ平であ…

号外-5 日本第四戦

ラグビーW杯イングランド大会 1次リーグB組 日本第四戦 日本28―18アメリカ (2015年10月11日 グロスター) ラグビーに奇跡なんかない。たとえ、日本がW杯で3勝したとしても。 がんばって夜中まで起きていたが、睡魔にはかなわなかった。ジジイにはなりたくな…

綴じ込みページ 猫-227

アカデミー賞文学賞に、今年も村上春樹は選ばれなかった。残念というか、ご愁傷さま。 だいたい、村上さんが候補にノミネートされていたのかどうかもわからないらしい。わかるのは50年後、アカデミーが正式に公開してからのことだそうだ。三島由紀夫も、当時…

号外-4 日本第三戦

ラグビーW杯イングランド大会 1次リーグB組 日本第三戦 日本26―5サモア (2015年10月3日 ミルトンキーンズ) ラグビーに奇跡なんかない。勝利にはかならず理由がある。 昔、フィジーとオールブラックスの試合で、最強だとおもっていたオールブラックスが、フ…

綴じ込みページ 猫-226

給料日に財布を見たら、まだ一万円残っていた。ぼくは、生活費と食費と小遣いがごっちゃになっているから、この一万円がどの分の残りかはわからない。ともかく、余録のようなものである。そこで、速やかに消費してしまおう、とおもった。 ぼくには、ついつい…

号外-3 日本第二戦

ラグビーW杯イングランド大会 1次リーグB組 日本第二戦 日本10―45スコットランド (2015年9月23日 グロスター) ラグビーに奇跡なんかない。たとえ第二戦がボロ負けだったとしても、それが第一戦の勝利が奇跡だったという証明にはならない。 対スコットラン…

綴じ込みページ 猫-225

ミーヤの爪が伸びて痛いので、そっとポケットから爪切りを取り出した。いつでも隙を突いて爪が切れるように、パジャマ代わりの半ズボンのポケットに、目薬の容器といっしょに爪切りを潜ませている。 ミーヤは、甘えたくなると、そっとそばにきて、あらぬ方向…

綴じ込みページ 猫-224

猫草が枯れてきたので、新しいものを池袋西武9階まで買いに行く。猫のサラダと書かれているが、燕麦や小麦の若葉である。葉がトゲトゲしているので、毛づくろいでしこたま毛を呑み込んだ猫の胃を刺激して、吐き出させる効果があるといわれている。 ほかにも…

号外-2 1次リーグB組

ラグビーW杯イングランド大会 1次リーグB組 日本34―32南アフリカ (2015年9月19日 ブライトン) 奇跡の勝利、と報道されたが、ラグビーに奇跡なんかない。あるのは、緻密な計算と、それを実行するための強靭な肉体だ(それを繊細な感性と柔軟で堅牢な精神が…

号外-1 新編 掟

新編「什の掟」 一、憲法に定めたことに背いてはなりませぬ。 二、9条を尊重しなければなりませぬ。 三、虚言をいうことはなりませぬ。 四、卑怯な解釈をしてはなりませぬ。 五、国民をいじめてはなりませぬ。 六、海外で約束をしてはなりませぬ。 七、戸外…

綴じ込みページ 猫-223

今年の夏は暑かった。そのせいか、通勤の近道に重宝している築地本願寺境内にも、異変が起こっている。 その一。去年、あんなにうるさいくらい花をつけた夾竹桃に、ほとんど花が咲かなかった。そんなことでは、句作の足しにならないではないか。 その二。裏…

綴じ込みページ 猫-222

われらがいて丁さんが、スズメバチに刺された。われらが、というのはおかしいかな。でも、まあ、いいや。いて丁さんは、わさびさん主催の句会では優等生で、人望もあり、俳人としての将来を嘱望されている人物なのだから。 この事件を発見したのは、わさびさ…

綴じ込みページ 猫-221

芥川賞受賞作が評判である。受賞者の又吉さんが、母が「『花火』、読んだで」といったので、母は読んでいないなとおもった、と話していた(受賞作は『火花』)。 ぼくも、ちょっと恥ずかしかった。ぼくもずっと『花火』だとおもっていた(ということは、読ん…

綴じ込みページ 猫-220

航空機が群馬の山中に墜落してから三十年が経った。 この年の秋、正確には十月二十七日、ぼくの父がなくなった。享年六十二。この日は、ぼくの三十六回目の誕生日だった。 葬儀は、友人の従兄、俊夫さんの寺で営んだ。川崎駅前の繁華街のなかにある浄土宗の…

綴じ込みページ 猫-219

まとまった休みがとれて、ふだんおろそかにしている事柄を、この際ぜんぶ片づけてやろうとおもった。が、おもっただけで、なにもラチがあかなかった。 ひとつには、猫のミーヤがずっとへばりついて離れないからで、おまえは犬か、といってやりたい。世の中の…

綴じ込みページ 猫-218

ミーヤが一年中、空調のよく効いた部屋で生活しているせいで、抜毛がめっきりすくなくなった、と春に報告した。しかし、これが誤りであったので、前言撤回します。 原因はどうやらぼくで、あまりきつく梳いたらいやがるだろう、と勝手に思い込み、少々ブラッ…

綴じ込みページ 猫-217

台風の影響で雨の降った朝、会社に向かって築地本願寺の境内を歩いてゆくと、ニャンニャンがいた。梅雨で雨の日がつづいたので、会うのは久しぶりだった。ニャンニャンは、雨に濡れたコンクリートにしゃがんで毛づくろいをしていた。 ニャンニャンは、おもし…