2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

有金君 その3

京都では、約束の時間まで暇ができたので、嵐山の渡月橋のほとりのホテルの向かいに車を駐めて、おたまじゃくしに石をぶつけて遊んだ。でかいおたまじゃくしで、蛙になって復讐に出てこられたら、こいつはこわいとおもった。 あのあと、有金君はずっとひとり…

有金君 その2

知多半島有料道路の途中で有金君と運転を交替することになって、磁石式の若葉マークのステッカーを車の前後に貼ったとき、ちょっと胸がどきどきしていた。1台の乗用車が、路肩に停めたぼくらの乗ったセドリックのバンのわきを通り抜けて行ったあとから、ぼく…

有金君 その1

有金君とは、1回だけいっしょに自動車外商に行ったことがあった。昭和58年のことだ。 ちょうどぼくが運転免許取り立てのときで、碧南市の帰りに、知多半島有料道路の途中で交替して、運転させてくれた。 当時、この道路はまだ新しく出来たばかりで、あまり利…

大阪話

昭和52年9月初旬、ぼくは大阪なんばのホテル南海にひとりで宿泊していた。 残暑のきびしい年で、ぼくは夜、遊びに行くのにバミューダパンツをはいていた。ちなみにいうと、このパンツはコードレーンという柄でVANのパンツだった。それだけでずいぶん昔のよう…

あけましておめでとうございます。

はじめて大阪に行った東京人が、最初に感じる「大阪だなあ」はなにか? ひとそれぞれ違いますよね。 ぼくの場合は、新大阪駅で新幹線をおりて、なんばに行くのに地下鉄御堂筋線に乗換えた途端、雷に打たれたようにそれを感じたのだった(昭和52年晩夏のこと…