2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

H氏の話 最終

ウンコ退職事件の原因となったあのH氏が、その後どうなったか、おたずねになるかたがあるかもしれない。ないかもしれないけれど、お話しします。 荻馬場さんが退職したあとも、性懲りもなく(といういいかたは、お客様には失礼だけど)H氏はしょっちゅうやっ…

H氏の話 3

翌日、午後から出社してみると、なんとなく事務所の雰囲気がおかしかった。 タイムカードを押してると、値札付けの豌豆さんが寄ってきて、そっと耳元でささやいた。 「釜本次長と荻馬場さんが喧嘩して、荻馬場さん、帰っちゃったの」 それが、あとで語りぐさ…

H氏の話 2

「あ、ウンコが落ちてる!」 と、見つけていったのは、荻馬場さんだった。 「ゲッ!」 と、ぼくはいった。「どうしよう?」 「どうしようか?」 と、荻馬場さんも、じっとウンコをみつめながら、いった。「きっと、手術した肛門がゆるんでいるのね。やーね、…

H氏の話 1

築地の大A新聞社の記者をしていたH氏は、リストラの嵐吹きすさぶなか、早期退社に手をあげた。定年まではあと何年かあったが、それまでの期間の給料の半額(ときいた気がするが、もっと多かったかもしれない)を、退職金に上乗せしてもらえることになったか…

11/3の続き

「頭にきて、ぼく、先に帰っちゃおうかとおもいましたよ」 憤慨のあまり、大きな眼をさらに見開いて、口をとんがらせるようにして有金君がいった。 「だって、いっしょにおうちにあがって、商売手伝うんじゃないの?」 ぼくは、半信半疑でたずねた。 「ちが…

自動者外商

最悪の自動車外商は、翌年の暮にやってきた。 例年12月は、お歳暮を兼ねた展示会だけのはずなのに、ぼくにもひとりで自動車外商に行くようにというお達しが出て、びっくりした(すでに砂糖部長と1回、釜本次長とは2回、外商に出ていたし、9月には大阪に2週間…