2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

綴じ込みページ 猫-212

「忘れられた詩人の伝記」(宮田毬栄・中央公論新社)の137ページに、「橇の鈴さえ 寂しく響く」とはじまる詩が載っている。東海林太郎が歌った「国境の町」の出だしといえば、たいていの(同世代の)人が知っているだろう。「雪の荒野よ 町の灯よ」とつづく…

綴じ込みページ 猫-211

築地本願寺に棲みついている猫のニャンニャンが、境内に駐まっている黒のランドクルーザーのボンネットの上で寝ているのが見えた。会社の帰りで、まだ夕方の五時をまわったばかりの時刻である。 ぼくは、ニャンニャン、と軽く呼びかけながら、ニャンニャンの…

綴じ込みページ 猫-210

うまくファンジャケットを着こなせるかどうか。それが、この夏の宿題。

綴じ込みページ 猫-209

ブラックフリースときいて、ははん、とすぐにわかる人はどれくらいいるだろう。でも、ブルックスブラザーズときけば、たいていの人が知っているに違いない。 ぼくがはじめてブルックスブラザーズの品物を眼にしたのは、昭和五十二年のことだ。まだ正式には輸…