2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

銀座百点 号外

東門居永井龍男の句集から一句だけ紹介したところ、 「それがいちばんいい句かい」 と俳句を作る友人からいわれました。なんだか不満そうな口ぶりです。 「ぼくの趣味だから、だれにとっても好もしい句というわけにはいかないね」 「だったら、もっとたくさ…

銀座百点 17

今回も「銀座百点」No.500(平成8年7月号)から引用します。 大村「昭和三十三年に永井龍男さんが『銀座俳句』の選者になられましたが、永井さんの貢献度も大きかったと思います。ずいぶん苦労なさってましたよ。私がお伺いすると、『きょうは銀座百点の選句…

銀座百点 16

「銀座百点」No.500(平成8年7月号)に「思い出の作家たち ベテラン編集者が見た銀座百点」と題する鼎談が載っている。出席者は、川野黎子(新潮社)、大村彦次郎(講談社)、豊田健次(文藝春秋)。いずれも、自身たちが伝説の編集者である。 「銀座百点」…

銀座百点 15

「銀座百点」No.1(復刻版)の広告ページのひとつに、「スエヒロ」がある。 「あらゆる御會食にどうぞ」と書かれた下に扇型のマスがあって、メニューの一部があげてある。 一、洋室(ピアノ備付) 二〇〇名様 〃 (一般食堂) 大小 一、和室(舞台付広間) …

銀座百点 14

「銀座百点」No.1(復刻版)の最初の記事は、吉屋信子の「お店への憧れ」である。 『わたくしは父が地方の官吏だつたので、生まれるとから転々と父の転任地を、幼くて流浪したやうなものである。』 吉屋信子の父雄一は、信子が生まれてからも任地を転々とし…