2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧
鳩内気すずめ陽気に梅雨の家 グルグルと鳴く、鳩のくぐもった声を内気、活発で光を振り撒くように鳴く雀を陽気と捉えたところが面白いと師の角川源義は評して下さった。だが、下五の「梅雨の家」の置きかたが気にいらなくて、これでよいのか質問しようとした…
(大木あまり詩画集「風を聴く木」)あとがき 私に詩らしきものが書けるか遊んでみた。 遊ぶことは、自分をためすことでもある。日常の暗い罠に陥らぬためにもわたしには遊びが必要であった。レオノール・フィニーに「目のまわる遊戯」と言う絵がある。虚構…
青いうねり 花冷えの空には 雲の吐息。 桟橋を打つ波音は 異国の音。 砂まみれの流木に 腰をおろせば 青い波の うねりの彼方から やってくる ヴォーヴォワール忌。
昼顔 愛も 言葉さえも拒み 太陽に抱かれる 昼顔。 抱かれながら 荒野の夢を見る。 滅びるときを 待つ そのけだるい顔。 有刺鉄線に 巻きつきながら 風と交わる 昼顔。 交わりながら 放浪の夢を見る。 肉欲も 快楽もなく 滅びるときを 待つ そのさびしい顔。 …
夜 あなたは 黒が似合う 美しい孤児。 あなたとわたしは よく似ている。 愛と嘘が似ているように。 あなたが存在するかぎり わたしに人生の鏡はいらない。 あなたに抱かれると 傷は癒え 愛がふたたび あふれでる。 あなたの心を しっかりセロハンで 包んでお…