2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

号外-3

われらがわさびさんの句が、株式会社KADOKAWA(旧角川書店)発行の「角川 俳句」12月号に掲載された。われらが、というのはおかしいかな。とにかく、快挙である。 わさびという俳号ではなくて本名で載っているが、所属が「そろり会」とあるのがうれしい。な…

綴じ込みページ 猫-115

また、「作家の猫」(平凡社 コロナ・ブックス)を開いてみよう。 一枚の絵葉書が友人から田村のもとへ届く。追伸に「この猫、田村さん宅の『ネコ』に似ていませんか?」とある。この絵葉書に触発されて田村の詩「カイロの猫」が書かれ、ネコはカイロ生まれ…

綴じ込みページ 猫-114

ミーヤの粉になった骨は、白い麻のハンカチでこしらえた袋に、いくつか小分けにする。そして、その袋を、ぼくの上衣の裏地の内側に縫い付けておく。もちろん、外からわからないようにして。厚手のハリスツイードのジャケットなんかが最適だろう。遺言に、火…

綴じ込みページ 猫-113

吉行淳之介は、「壷の中にある灰は、焼いた犬の骨と肉ではなくて、人間のものとしかおもえなかったからだ。」と書いている。ベンソンという名の飼い犬の骨である。 歯科衛生士の百崎さんは、飼猫がなくなって、火葬して灰にしたが、骨壷はまだ箪笥の上に置い…

号外-2

友だちの甘木の訃報に接した。六年前から絶交していた。 自分のいいときにしか連絡してこない男だったが、この一、二カ月のあいだに何回か携帯に連絡があって、そのつどぼくは着信拒否していた。六年経って、いい加減ほとぼりが冷めたとでもおもったか、また…