号外-3

 われらがわさびさんの句が、株式会社KADOKAWA(旧角川書店)発行の「角川 俳句」12月号に掲載された。われらが、というのはおかしいかな。とにかく、快挙である。
 わさびという俳号ではなくて本名で載っているが、所属が「そろり会」とあるのがうれしい。なんたって、ぼくもその会の一員だからね。
 わさびさんは、早速、掲載誌を一冊、ご恵投くださった。作品は、七句。タイトルは、「初雪」とある。さすがに、決めるときには決めている。


   コロッケは祖母のレシピや小鳥来る
   KGB白鳥の歯の鋭さよ 
   桶の音響く湯殿や神の留守
   初雪や子殺し語る義太夫
   猫抱いている大統領冬木立
   寒鯉や若き庭師のふくらはぎ
   捨てられぬもののひとつに毛糸玉


 コメントも載っていて、ものごとに飽きっぽい、と自称しているわさびさんが、俳句にはけっこうのめり込んでいることがうかがわれる。


 むか〜し、晩年運が良いと言われた。嘘じゃん、と思い始めた頃俳句に出会って「そろり会」という句会を毎月持つことになった。一年くらいで飽きると思ったのが、そろりそろりと間もなく六年になる。ナイスな師と句友を得て日々楽しい。


 ご同慶の至りである。ただし、ぼくの場合は雑魚のととまじりで、箸にも棒にもかからない句を量産して、いつもお師匠さんを嘆かせているのだけれど。