2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

綴じ込みページ 猫-235

最初の句会で詠んだ妻の頭が慈姑のようだったのは、放射線のせいである。いや、放射線を照射するために刈り込んだからである。 妻は、句会がはじまって二年目に、再発したガンがもとでなくなった。当時、句会では、戯れに、よく妻を句に詠んでいたので、「愛…

綴じ込みページ 猫-234

最近の作を挙げてみよう。すこしも進歩していないのがよくわかる。 三日月のスプーンで冬の銀河食ふ 炬燵から飛び出る猫の耳赤し 一月の氷菓切裂く銀の匙 熱さらず池に白鳥来てをれり 三ヶ日威張り暮すやぼくの猫 熱さらず炬燵の猫を撫でるのみ 撫でるほど丸…

綴じ込みページ 猫-233

俳句を習いはじめて、今年で八年目になる。ぼくなんか、いっこうに上達する気配はないが、せっかく読売文学賞受賞俳人が万障繰り合わせてやってこられて、俳句のハの字も知らなかった朴念仁に噛んで含めるように教えてくださるのだから、この機会をあだやお…

号外 たのしい編集-12

「たのしい編集」の「編集後記」は、もうすこし残っている。 わたしのような「本づくり」をまったく知らないド素人でも、本をつくることはできる。これは断言できる。周りにプロフェッショナルがたくさんいるのだから、任せてしまえばよいのだ。しかし、「ど…

号外 たのしい編集-11

「あとがきにかえて」でおしまいだとおもっていたら、目次の最後に「編集後記」が残っていた。共著者の大西美穂という編集者が書いている。 編集後記 わたしが出版業界に転職したのは二十五歳のころだったから、一般的には遅いほうかもしれない。それまでは…

号外 たのしい編集-10

さて、「たのしい編集」のつぎの目次は、最終章「第五章 未来」である。 第五章 未来 未来の編集者へ………………これからの本のかたち 242 当事者か、傍観者か……………………企画のありか 244 おもしろいか、つまらないか………カンを信じる? 248 オーラか、色気か……………………