綴じ込みページ 猫-234

 最近の作を挙げてみよう。すこしも進歩していないのがよくわかる。


    三日月のスプーンで冬の銀河食ふ
    炬燵から飛び出る猫の耳赤し
    一月の氷菓切裂く銀の匙
    熱さらず池に白鳥来てをれり
    三ヶ日威張り暮すやぼくの猫
    熱さらず炬燵の猫を撫でるのみ
    撫でるほど丸くなりたる炬燵猫


 七句中、猫四句。しかし、ここに妻は出てこない。
(つづく)