2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ワイシャツと市川さんの話

担当している職人は、市川さんでした。ぼくは、札幌から送り返されたワイシャツを持って、市川さんに相談に行きました。 「これは、洗濯したあと、アイロンがよくかかってないからですね」 市川さんは、そういいました。 「いいでしょう、わかりました。あた…

ワイシャツの話 (唐突にシリーズ変更)

ワイシャツの衿の芯地と生地がうまくなじまないで、空気が入って浮く場合があります。これをパッカリングといいます。 芯地でも、接着芯といって芯地の表面に接着剤のような糊がついているものは、熱いアイロンをあてれば生地と芯地がピッタリくっついて、ど…

閑話

ワイシャツに関するトラブルは、じつに無数にあります。それを、担当者は、ひとつひとつクリヤーしていかなくてはなりません。しかも、問題はいつも山積していて、すこしも予断を許しません。衣類のクレームだけを取り上げても、うんざりするくらいあるんで…

市川さんの話 17

市川さんが下職をつかったのは、きっとこの時期だったに違いありません。そうでなければ、年間500枚のワイシャツを作るなんて、物理的に無理です。 大井の加藤さんは、仕事場の棚の上に、たくさん生地が載っているとご機嫌でした。本人はご機嫌かもしれませ…