2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

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白石正人句集「わかめご飯の素」から、「秋 autumn」。 落蝉の鳴きつくしたる軽さかな 蜩や日のあるうちに終るバス 鰯雲どこに行くにも草履かな 虫売りの虫の音だけくださいな 発掘の土戻しゐる残暑かな 二等星三等星や揚花火 人は皆死ぬと言ふけど木歩の忌 …

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白石正人句集「わかめご飯の素」(「夏 summer」)のつづき。 杜鵑鳴いて樹雨の落ちにけり サムシング・グレート万緑に在り 海岸通りバーガー店の金魚草 夏の月大胆なことやりさうな 今日からはただの友達ビール注ぐ 臍凉し表彰台のアスリート 河鹿鳴く私は…

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白石正人句集「わかめご飯の素」(「春 spring」)を読んでわかることは、いて丁さんとぼくの感性が違っていることだ。しかし、まるっきり違っているわけでもなくて、かえって始末に困る、とおもった。 「夏 summer」 パセリパセリ刻んで刻んで五月来る 挨拶…

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白石正人句集「わかめご飯の素」(「春 Spring」)のつづき。 アネモネや人はひとしく生きられず 春の桟橋誰も端まで行きたがる 江の島の木の教会や浜防風 大人の砂利踏む音やうららけし 猫を撫で薇の頭に触れにけり 鳥鳴いて花待つ人となりにけり ならみち…

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句会のお仲間のいて丁さんが、はじめての句集を上梓された。もっとも、ご本人には第一句集というお考えはないようだ。俳人としての世界が広がって、名刺代わりの句集が必要になったから、とおっしゃった。浅葱色というのだろうか、黄緑色の表紙のきれいな冊…