2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

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旧かな派の小説家と新かな派の小説家を数人ずつ選んで、双方のいい分を聞こうとおもう。旧かな派のほうは、言葉としては正統だから、いくらでもいる。しかし、新かな派のほうは、ただ新かなで書いているというだけで、はっきりと新かなの効用を述べたものが…

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小西甚一「国文法ちかみち」のオマケ「〈余論〉表記法のはなし」の最初に掲げられた「(一)古代特殊仮名づかい」は、国文学をこころざしたり、古代語で書かれた文献を解釈しようとする人には必需品だが、せいぜい俳句を読んだりこしらえたりするのには、無…

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小西甚一「国文法ちかみち」のオマケ「(三)現代かなづかい」のつづき。 日本語は、あまり遠くないうちーーおそらく百年以内ーーに、ローマ字書きになるよりほかないだろう。百年前のことを考えてみたまえ。行灯から石油ランプ、さらに電灯、蛍光灯とかわっ…

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小西甚一「国文法ちかみち」オマケ「(三)現代仮名づかい」のつづき。 世のなかには、現代仮名づかいと表音的仮名づかいとを同じに考えている人が多いらしく、どうして「現代仮名ずかい」と書かないんですかと質問されたこともしばしばだし、大学で国文学を…

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さて、小西甚一「国文法ちかみち」オマケの「(三)現代仮名づかい」を見てみよう。 「池袋で乗りかえてね、王子へゆくつもりだったんだが、何をぼんやりしていたのか。大塚へゆく電車に乗っちまってさ。齢のせいかな。」 このばあい、もしこの人が駅名の表…