2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

銀座百点 号外39

わさびさんは感性の人だ、とぼくはいった。それも、独特の審美眼と倫理観に裏打ちされた感性だ。論理だの理屈だのといったヘッタクレは、いとも易々と飛び越えて、すんなりとご自分の結論に達してしまうから、ひとに理解されづらいのもむべなるかなである。 …

銀座百点 号外38

そろり会のお仲間の句を紹介していたら、お師匠さんの大木あまり先生がふらんす堂から上梓された句集「星涼」(註、2010-10-17「銀座百点 号外16」参照)で「第62回読売文学賞」(「詩歌俳句賞」)を受賞された。快挙である。 授賞式は2月21日、帝国ホテルに…

銀座百点 号外37

選句するということは、目の確かさを問われることだ。お仲間のだれもが、いえいえ私なんか、という顔をしながら、自分の感覚を強く信じている(「目のつけどころがちがうでしょ」)。それは、火を見るより明らかである。であるならば、不肖飛行船もおくれを…

銀座百点 号外36

鶉さん選のわさびさん句も見てみよう。 豆をまくまけどもまけども鬼は内 濁り酒五臓六腑に百八つ 年波の寄せては返す彼岸かな 友の嘘独活の苦さのほどなれど タンポポとヒポポタマスに天気雨 永遠は八十八夜の子守歌 落花竜巻となりてバスを待つ 以後一線引…

銀座百点 号外35

それでは、万作さん選のわさびさん句を見てみよう。 交差点恋や花粉やもやもやと 春雨や傘さす人と別れたり 無人駅夏草踏んで下り立ちぬ 本棚の埃払って秋近し 友の嘘独活の苦さのほどなれど 端居してももひざすねと暮れていく 紫陽花のパパは雨雲ママは虹 …