号外 たのしい編集-12

「たのしい編集」の「編集後記」は、もうすこし残っている。


 わたしのような「本づくり」をまったく知らないド素人でも、本をつくることはできる。これは断言できる。周りにプロフェッショナルがたくさんいるのだから、任せてしまえばよいのだ。しかし、「どんな本をつくりたいか」という青写真を失えば、一冊の本がとてもあやふやな存在になってしまう。
(中略)


 出版業界が斜陽になったいま、年間の売上やノルマに苦しむ編集者が、周りにもたくさんいる。どうやって安く、効率よく、売れる本をつくるのか、それが編集者にとっての絶対使命だろう。
 その観点からすれば、本書はいまの時代にそぐわないのかもしれない。でも、だからこそ立ち止まって、本書を読んでみてほしい。そもそも本づくりとは、いったいどういう行為なのかが、うっすらと透けて見えてくるはずだ。そして、出版の分業化や電子化がすすむなかで、本づくりの全体像を俯瞰できる編集者は、これから大きな強みになるだろう。(後略)


「たのしい編集」は、これでおしまい。