号外-4 日本第三戦

 ラグビーW杯イングランド大会 1次リーグB組 日本第三戦 
 日本26―5サモア
             (2015年10月3日 ミルトンキーンズ


 ラグビーに奇跡なんかない。勝利にはかならず理由がある。


 昔、フィジーオールブラックスの試合で、最強だとおもっていたオールブラックスが、フィジーののびのびしたプレーに翻弄されるのを見たことがある。


 なにしろ、フィジーのパス回しがひとを食っていた。ひとりの選手が、うしろも見ずに、両手で後方に山なりの球を放り投げた。すると受け取った選手は、こんどは股のあいだを通してまたうしろに山なりのパスを送った。この一連の動作が流れるように行われたので、ボールの描く放物線が見えたような気がした。そして、最後にゴールへ向かった選手は、オールブラックスが追いつけないと見ると、とたんにスキップになって、余裕でゴールに駆け込んだのであった。


 サモアとフィジーでは、気性はだいぶ違うのかしらん。