綴じ込みページ 猫-250

 俳句帖に清書しているとき、おもいつきで二句に手を入れた。


    数へ日や猫座布団に眠りをり 飛行船
    数へ日や猫仏壇に眠りをり


    桜のしべ降る三毛猫は寝てゐる
    桜のしべ降るミーヤは寝てゐる


 いずれも二句目が清書した句である。
 ぼくは、少々煩悶しているのであるが、いて丁先生にいわせると、
「(句集というものは)ベタいい句を並べるより、イマイチの句をはさんだほうが、いい句がより引き立って見えるから、なんでもない句があってもいいんだ」
ということで、うーん、なんとも慰めにならない。
(つづく)