大木あまり「シリーズ自句自解1 ベスト100」P6

 かき氷さくさく減らし同世代


 かき氷を食べながら、映画や旅の話を良くした。ときには、恋愛の相談もされた。別れられずにくよくよする女友達に、恋もしたこともないのに「男性は追っては駄目、追うようにしむけなくては」「ハンカチを取り替えるように男性をかえてポイとすてるのよ」と、無責任なことを言っていた。
 強気の発言のわりには、恋に臆病で、二十代になっても、下の姉の後ばかり追いかけて姉のデートをいつも邪魔していた。(『山の夢』)