2007-09-24から1日間の記事一覧

矢村君のこと その5

ある日、矢村海彦君の下宿に行くと、机に向かってなにか書いていた。ぼくが上がっていくと、万年筆の手をやすめて頭をあげ、こちらを見た。 「なにか書いているのか?」 と、ぼくはきいた。 矢村君は、椅子から立ち上がると、台所に歩いていって、ガスに火を…