2007-10-07から1日間の記事一覧

矢村君のこと その7

矢村海彦君が書いた小説は、レーサーが主人公だった。レーサーといっても、ワークスお抱えのリッチなドライバーなどとは程遠い、町の自動車修理工場の若い経営者だった。 彼は、1年間必死に働いて、爪を灯すようにして貯めた金を元手に、中古のレーシングカ…