「フランス製のバッグがあったんだがね」 機嫌のいいとき、砂糖部長が昔話をはじめた。 機嫌がいいのは、おおむね、遅番で夜いっしょに残っているときだった。昼間、むすっと苦虫を噛み殺したような顔をしていたのが、嘘のようだった。 「ずっと前のことだけ…
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