少年は、ようやく一人で歩けるようになった。 骨のまわりの肉は、すこしも増えない。ゆっくりと、すこしずつ、いまにも倒れそうな危うさで歩いてゆく。均衡が崩れかかると、少年は立止り、だらりと下げた両腕の手の甲をぐっと上に反らせる。そうやって、均衡…
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