その書物は、M・Mの書棚に並んでいた。昭和十三年発行、定価八十銭というオクヅケの文字があり、彼女はそれを古本屋で買ってきたという。そして、その書物も、普段のときの私ならば見逃していただろう。たとえ手にとって開いてみても、その中から語りかけて…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。