大木あまり詩画集「風を聴く木」『1-ミイラ遊び』

 ミイラ遊び


わたしたちに
禁じられた
遊びなど
ひとつもなかった。
それなのに わたしたちの
遊びといったら
全身にシーツを巻きつけ
ゴロゴロと
アトリエの床を
転がる ミイラの遊び。
うまく転べなかった方が
さよならをいう
ミイラの遊び。
今も
遊んだときの
笑い声が聞こえる。