大木あまり「シリーズ自句自解1 ベスト100」P10

 大姉も小姉も細身十月野


 姉のいない人には、「姉さんが二人もいていいなあ」とうらやましがられる。中学を卒業してから、進学したくないとごねる私を高校に行かせ、絵に興味を持たせてくれたのは姉たちである。優等生の二人は、父母から期待されて大変だったと思う。その分、末っ子の私はのびのびと自由にやってこれた。
「秋の野」ではなく、「十月野」としたところ、姉たちへの思いがある。(『山の夢』)