大木あまり「シリーズ自句自解1 ベスト100」P60

 太陽は果実のごとし秋の山


 友人のTに誘われて高尾山に行った。お茶屋で色々なものを食べよう。その心積りでいたがTはダイエット中、おにぎり二個の昼食になろうとは……。やっとのことで薬王院がある頂上に辿り着き、俳句を作ろうと見渡せば金色に輝く太陽がマンゴーのようだ。思わず「おいしそう!」と声をあげてしまった。
「高尾山」にするか迷ったが、スケールの大きさを出したくて「秋の山」にした。挨拶句はとても難しい。 (『火のいろに』)