ペーパーバックライター

今年の夏、「ギンザ プラスワン」が本になりました。ぼくは、畏敬する元編集者のO氏(註、2005-01-09「O青年 その1」〜2005-01-10「O青年 その2」参照)にも1冊、手紙を付けて恵贈しました。
「前略ごめんください。
ご無沙汰いたしておりますが、O様にはご健勝のことと存じます。
さて、2004年より一枚の繪(株)のホームページにずっと雑文を連載いたしております。「銀座見たり聞いたり」といった按配の作文ですが、こんど、2006年12月までの分を、山城一子社長がポケットマネーで本にしてくれました。酔狂というほかございません。
ペーパーバックで10冊、いわゆる私家版の限定本のようなものができあがりました。昔、うんと若いころ、ペーパーバックライターという肩書きにあこがれたことがありました。早川のポケットミステリの影響でしょう。また、吉行淳之介先生が、重厚長大よりも鋭い軽薄短小を、とおっしゃったことも関係しているようです。
私の本は、装丁も軽薄短小ですが、じつは中身も軽薄短小です。恵贈されて、かえってご迷惑かもしれませんが、ページをペラペラしていただけるだけでしあわせでございます。以上 2007年7月14日」
 すぐに、O氏からお葉書をいただきました。それを読んだぼくは、もうすこし先まで歩いて行こう、とあらためておもいました。
(今年の「ギンザ プラスワン」はこれで終わりです。ご愛読ありがとうございます。来年も、どうぞよろしく)