「銀座百点」No.1(創刊号)の復刻版に、久保田万太郎の「あやとり」が載っている。
あやとりの
あや、おもしろや
あやとりの
あやにかくれし人の世の
謎、おもしろや
空、みれば
空、わたりゆく雁のかげ
これは、詩なのだろうか。それとも、小唄のたぐいなのだろうか。
同じ時期の句に、こんな句がある。
双六の賽の禍福のまろぶかな
前書に、「昭和三十年を迎ふ。...鎌倉に住みて、ああ、つひに十年...」とある。
夫婦間のいざこざ、愛人との同棲を数年後にひかえた時期である。8月から、「演劇合評会」がはじまる。