銀座百点 13


 1955年創刊時の「銀座百点」は、表紙も含めてぜんぶで52ページだった。2010年6月号の「銀座百点」No.667は110ページで、いまは各号ともこれくらいの分量が普通だから、はじめはずいぶん薄い冊子だったわけだ。
 ちなみに、1996年7月1日発行「銀座百点」No.500は、150ページもある。ま、これは「銀座百点創刊五〇〇号記念号」だから、少々厚みがあって当然かもしれない。
 100ページあまりで、これだけコクのある小冊子というのは、おそらくほかにはないだろう。ぼく的には、向田邦子さんの連載「父の詫び状」がはじまり、吉行(淳之介)さんが「銀座サロン」のホストに加わった時期から、色川武大の連載「なつかしい芸人たち」が掲載され、和田誠先生の「銀座界隈ドキドキの日々」を心待ちにしたころまでが、「銀座百点」の黄金期だったとおもっている。