銀座百点 号外97

 この作品を書いたことによって、いろいろのことが起った。まず、文芸時評の大部分によってけなされ、わずかの人によって強く褒められた。ふやけたノロケ小説という評もあったが、やがてこの作品が余計な雑音から独立して読まれる時期がきたならば、そういう評が当っていないことが分ってもらえるというのが、作者の自負である。
(つづく)