綴じ込みページ 猫-5

 ボランティアの方からの返信は、だいぶたってからきました。


「この度はお問い合わせいただきましてありがとうございました。体調を崩し伏せっておりましてメールを見ることができずにおりました。お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。明日また、きちんとメールさせていただきます。取り急ぎお礼まで。」


 ぼくは、すぐに返信メールを送りました。
「拝復 こんばんは。ご返信、有難うございます。よろしくお願いいたします。どうぞお大事に。敬具」


 そして、翌日、あらためてメールが届いたのでした。


「昨日は失礼をいたしました。改めまして、ニコをご希望くださりありがとうございます。また、お心のあるメールをいただきましたことにも感謝しております。森と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 

 早速ですがご質問いただいた件についてですが、私も猫の保護をはじめたのは去年からですので日が浅く経験もあまりありません。それまでは年に1、2度子猫を拾って里親さまを探すというくらいにしか接点がありませんでした。その中で感じることで申しあげれば、時間の許す限り猫と過ごしてあげれば、とくに時間が長ければいいとかではないように思います。
 

 今もうちは1階に犬、2階に猫と別れていて、私たちはどうしても1階にいる時間が長いです。猫たちのところへは、食事を持って行ったり、昼間時間があるときに1時間ほど同じ空間にいて、テレビをみたり本を読んだりおもちゃで少し遊んだりする程度です。夜も同じように時間があればいきます。これが子猫ではまた違ってきますがニコさんは大人です。自分の世界を持っています。私が遊びたくても嫌!と言われることもあります。猫は夜のほうが活動的な気がします。


ニコさんもそうです。お仕事から帰られて、お食事したりテレビをご覧になったりする時傍においてくださり、ニコさんが撫でてとか遊んでと寄って来たときに相手になってくださればいいと思います。お仕事がお休みの日には一緒にいる時間もたくさんあると思いますし、一言でも二言でも声掛けて、ニコさんの存在を分かっているよということをニコさんに伝えてくだされば大丈夫だと思います。私も犬を飼った経験は少しあるので、その感覚でいるとひとりぼっちは淋しいかなと思っていましたが、猫ってそんなことないようですよ。淋しければ自分から寄って来ます。そしてニコさんに限って言えばニコさんは大人しい子なので初めての方でも大丈夫です。
  
 一番の問題は、猫は長生きの動物です。長いと20年くらいも生活を共にすることになります。この先、たとえば旅行に行かれたり、ご病気やお怪我などで入院せざるをえないなど、アクシデントがあった時などにどなたかニコさんの面倒を見てくださる方がお近くにいらっしゃるでしょうか? 独立なさったお子様などがいらっしゃいますか? 御親戚でもご近所の方でもけっこうです。なにかあったときに、その後のニコさんの生活を託せる方がいらっしゃるか考えてみていただけますか? そしてその方に猫を飼うつもりであることをお話していただいて、後を託すということの了承を得ていただけたらと思います。


 ニコさんは4年生活してきた前の飼い主に飼育放棄という形で捨てられています。どんな理由があったかわかりませんが、信頼していた飼い主にもういらないと捨てられたのです。もう2度とそういう思いはさせたくありません。その点さえクリアできればと思います。


 あと、こちらからおたずねしたいことは、猫アレルギーは大丈夫ですか? 犬アレルギーより猫アレルギーのほうが強くでるようです。アレルギーがあるこらといって飼ってはだめということではありません。アレルギーがあるならあるなりの対処の仕方があると思うので、じょうずに付き合っていけばいいと思うのです。


 長々と書きました。ご一読いただき、また、ご連絡くださいますようお願い申しあげます。
 1日に1度はパソコンメールを確認しておりますが何か早急に連絡がございましたら下記にお願いいたします。(午前中はほぼ犬の散歩で出たり入ったりしております。)」