綴じ込みページ 猫-39

「FE」は、こうも書いている。
「マックィーンは体格がよく爽やかな笑顔の美男子というかつてのハリウッドのヒーロー像と異なり、小柄でともすればサル顔といわれそうな個性的な顔立ちだった。だが、彼の姿はスクリーンに映え、観客を魅了した。決してアドバンテージに恵まれていたばかりではない彼の身体的な魅力とは何なんだろうか? 岡本博氏はイラストレーターとしての視点で分析する。
『マックィーンは全身の均整がとれている。大胸筋がそれほど発達しているわけではないのに腕は丸太のように太い。これはオフロード・レースで鍛えられたもので大腿部の適度な太さも締まった腹筋も同じ。ジム通いとプロテインで作ったようなわざとらしさがなく野性的な筋肉をしている。そして顔が小さいため、身長は実際以上に高く見える。いわゆるアングロサクソン系の二枚目ではないが、シャイネスとタフネスと憂いとを併せ持った多彩な表情が多くの人を魅了するのでしょう』。
 マックィーンは映画の中で自分の姿がどう映るかに細心の注意を払い、自分の魅せ方を熟知していたという。ディテールにまで気を配っていた彼の表情や仕草からカッコいい男になる術を学びたい。」(「キング・オブ・クールのディテール」)
 残念ながら、いまからマックィーンを見習ってカッコいい男になるには、ちょっと齢をとりすぎたようである。
 あのマッカーサーもA-2ジャケットを着ていたが、こちらは体格よく見えるように、わざとゆったりした寸法のものを作らせていた。だから、ファスナーを締めても、ウエストまわりがブカブカだったのだ。これは、「ポパイ」か「ブルータス」で読んだ。
(つづく)