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 スティーブ・マックィーンは、手もとのメモによれば、1930年3月24日生れ。インディアナ州インディアナポリス近郊のビーチグルーブ出身。父親は曲芸飛行士、母親は家出娘。生後6カ月くらいのとき、両親離婚。母の再婚とともに各地を転々とする。
 14歳のころ、カリフォルニア州立少年院に入れられる。1年半後に出所。17歳で海兵隊に入隊。後年、映画で脱走を企てる役を演じているが(「大脱走」や「パピヨン」)、実際に海兵隊の兵役中にも数回脱走を試み、すべて失敗している。除隊後は、バーテンダータクシードライバー、用心棒などで生計を立てる。
 1951年、ガールフレンドのすすめでネイバーフッド・プレイハウスに入学。アクターズ・スタジオを経てブロードウェイにデビューする。1956年、ポール・ニューマン主演「傷だらけの栄光」に、ポール・ニューマン扮するロッキーの悪友役で映画デビュー。日給19ドル、出演時間は総計5分ほどだった。
 後年、「タワーリングインフェルノ」で二人は競演することになるが、「傷だらけの栄光」に出演したときは「ずっとずっと下位の扱いだったので、いつかポールより上にクレジットされる映画で共演してみせる」という思いがスティーヴには強かった、と、友人のロバート・ボーン(註:参照)は語っている。
 

註:「荒野の七人」「ブリット」「タワーリング・インフェルノ」で競演。代表作「0011ナポレオン・ソロ」。余談だけれど、ロバート・ボーンが「0011ナポレオン・ソロ」でコンビを組んだデビット・マッカラムも「大脱走」に出ていました。
(つづく)