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 先日、日の出桟橋から浅草まで、水上バスというものに乗ってみた。
 つぎの句会の兼題のひとつに「遊船」というのが出たので、試しに乗ってみようということになったのである。


 結果として、水上バスでの一時間ほどの旅は、おもっていた以上に楽しかった。東京人の多くは、東京タワーに登ったことがないという。別に登ったところでなにがあるわけでもないが、登らないよりは登ったほうがよろしい。なにかを感じられるだろう。同じ意味で、水上バスに乗ってみられたらいい、とおもう。


 浅草では、例によってバッカスに敬意を表してアルコールを摂取。日の明るいうちにいただくビールは、うまい。気持のいいお仲間がいるというのは、ジジイになってみると宝物だ。でもって、不肖飛行船としては、せっかくだから「遊船」で一句ひねってみた。腰折れ、というより本歌取りだけれど。


    遊船や風に吹かれてゐるばかり 
    遊船や夜になつても遊びつづけろ