2014-08-31 綴じ込みページ 猫-162 でもって、変哲小沢昭一巨匠の最初の句。昭和四十四年一月。 スナックに煮凝のあるママの過去 水仙に猫がじゃれてる2DK 空風や鮒佐本日休みにて 寒月や地下鉄工事秋田辯 ゲバ棒の落ち目の春のにが笑ひ 通夜の音の越後なまりや雪女郎 そして、最後の句。平成二十四年七月。 悪妻といわれる女のサングラス (女:ひと) どうしても悪漢の面サングラス 大部屋も長く日傘の似合ふ女 夕立のあとの横町深呼吸 オイそこはガラスじゃないか夏の蝶 どことなく、ほら、いて丁さんと相通ずるところがあるようなないような。