綴じ込みページ 猫-199

 ミーヤのごはんは、ロイヤルカナンの「室内で生活する 中高齢猫用 インドア7+」である。中高齢期本来の活力を維持、とか、美しく健康な被毛を維持するために、とか、適切なリンの含有量によって健康な腎臓を維持、とか書いてある。体重に応じて一日の標準給与量が決められていて、ミーヤの体重は4kgだから、一日55gを目安にあげることにしている。
 

 一日二食、朝晩27.5gずつ猫用の食器に給餌する。これは、ミーヤがぼくのところにきたときから、ずっといっしょである。もっとも、四歳でやってきたから、そのときは満年齢一歳を迎えた、室内で生活する成猫用のロイヤルカナンだった。粒もいまより大きかった。
 

 ミーヤは、ロイヤルカナンを、はじめからよろこんで食べた。ロイヤルカナンの会社は、これだけで猫にとって必要十分な栄養バランスが保たれているので、くれぐれもほかの餌はあげないように、と注意している。ぼくも、そのほうが面倒くさくないし、最初のうちは神経質なくらい厳守していた。


 しかし、猫好きのブログに目を通すと、わりとゆるくて、オヤツと称して鰹節や海苔、小魚などを与えていた。猫だって、たまにはうまいものを食いたいだろうじゃないか、と書かれている。きたない(失礼)猫で、器量もなんとなくショボッとしている。もともとの素性は野良猫だったそうである。ところが、この猫がかわいいのである。飼い主がほんとうにかわいがっていることが、よくわかる。ただし、量は、十円玉くらいの大きさに見えた。


 猫の大敵は、リンの過剰な摂取なのだそうである。健康な腎臓を維持するためには、適切なリンの含有量を調整する必要があり、むろんロイヤルカナンにもそのことはうたわれている。それは承知していたのに、禁を犯してしまったのは、二年目のことだった。
(つづく)