綴じ込みぺージ 猫-213

 宮田毬栄「忘れられた詩人の伝記」(中央公論新社)には、詩人・大木惇夫の詩がたくさん掲載されている。ほとんど全詩が収録されているのかもしれない。オビに「起伏だらけの詩人の一生を、全詩作品と時の流れを通して娘が描き出す、画期的労作。」とあるから。


 巻末に詩だけの目次か、索引がほしかった、とおもうのは、ぼくだけであろうか。あとから、あの詩はどのへんに、とおもっても、なかなか見つからないのが困る。


 こんなことをいうと、飛行船はお姉ちゃまの労作にケチをつける気ね、といってあまり先生に叱られそうである。季節がちがうが、こんな句を詠んだことがあった。


    秋燈下大木あまりに叱られる 飛行船