綴じ込みページ 猫-243

 四月二日がくると、ミーヤは十歳になる。人間の齢に換算すると五十六歳だそうだ。パパのところにきたときは四歳で、人間の齢でいったら三十二歳。それからすぐに五歳になって、一気に三十六歳になったわけか。ずいぶん元気なお嬢さんで、部屋中を跳びはねていたっけ。いまでもミーヤは元気だけれど、眠っている時間が多くなった。成人した猫は、一年に四つずつ齢をとるだなんて、じつにかなしいことじゃないか。


 ミーヤがパパと同居するようになった平成二十三年は、パパの猫歴元年といえる。すなわち、今年は猫歴六年である。ミーヤ、きみはパパの最初で最後の猫だから、せいぜいパパの猫歴をながくのばしておくれ。
(つづく)