綴じ込みページ 猫-252

 連休になったらやろう、と自分に言い訳してずっと怠っていた小庭の草むしりと植木の手入れが、ようやく終わった。勢い余って、これから咲く(中心にピンク色を抱く、プロスペリティという名の)白薔薇の伸びすぎた枝をバサバサ落としたら、ほとんど坊主になってしまった。今年は、「繁栄」は期待できないだろう。
 

 赤の水引草が去年咲いていたあたりの草も根こそぎ抜いてしまい、あ、とおもったが後の祭りである。せっかく、水引草のために去年の秋は草むしりを割愛したのに。これで「宝くじ」もきっとダメである。


 それから、家のなかの大掃除と(ふだん洗えないでいる大物の)大洗濯もおえて、墓参りも無事すましてきた。ジジイになったら、これだけのことをやり遂げるのに三日かかった。いやだなあジジイは。これでゴールデンウィークの最初の三日間がつぶれてしまった。若いころには、これくらいは一日で全部終わらせて、そそくさとデートにでかけたものである。


 さて、ゴールデンウィーク真ん中の三連休である。久しぶりに本でも読もうかな。机の高柳重信全集第三巻は、「俳句論」「時評」「詩歌論」「講演・座談会」からなる。高柳の文章にもだいぶ慣れてきた。しかし、ぼくは勉強家でも篤志家でもないから、最初から順を追ってページを繰っていくようなことはしない。目次を眺めて、興味のあるところから読んでゆく。たとえば、「俳壇迷信論」などという題名は、なんだかおもしろそうではないか。
(つづく)