大木あまり詩画集「風を聴く木」『2-姉へ』

 姉へ


ひなげしの
花束に
致死量の
毒があるなら
ひなげしの
サラダを食べて
死ぬのもいい。
食べてしまいたいほど
愛する
あなたを
失ってしまったから。
思想も
理想も
宗教も
倫理もない
二十五歳の
女にできることは
愛をコピーすることだけ。