大木あまり「シリーズ自句自解1 ベスト100」P150

 遠足の子や靴下を脱ぎたがる


 病気で吟行や句会に出られないときは、季語から想を練り、対象をあれこれ心に思い浮かべながら句作する。
 掲句の場合は、実際に母親が靴下を履かせてもすぐ脱いでしまう子供がいたのを思い出して作った。公園での実景が遠足になってしまったが、ずっと心に残っている情景が一句になることだってある。ただし、遠足にこんな子いそうだ、と読む人に共感して貰えないと成功したとは言えないのである。 (『星涼』)