大木あまり「シリーズ自句自解1 ベスト100」P152

 かりそめの踊いつしかひたむきに


 あれは、盆踊の夜。町会長さんから「美人の奥さん、櫓の上で踊って下さいよ」といきなり言われた。美人と言われ、少しその気になったが、盆踊は初めて。原っぱで踊る輪の中に入れてもらいぎこちなく踊っていたが、手捌きを覚え次第に夢中になった。
 この「ひたむきに」は、大木さんの俳句に対する姿勢であると、俳人の中西夕紀さんが評して下さった。有り難きかな、友よ。 (『星涼』)