大木あまり「シリーズ自句自解1 ベスト100」P180

 男郎花ここに早瀬の欲しきかな


 東青梅駅俳人の石田郷子さんが迎えてくれた車で三十分も走ると埼玉県飯能市。名栗の郷子さんの新居に到着。句作のフィールドを自然豊かな飯能に移し、今、充実の時を迎えている郷子さん。ご主人の禅さんも加わって話が弾む。そして、〈秋涼の石田郷子が笑ふ家〉のように実に楽しい時間を過ごした。
 別れを惜しみつつ横浜の我が家に着いたのは夕暮れ。お皿を洗いながら、名栗の清冽な水の流れを思い出していた。 (『清涼』)